100棟ビルダーへの道

野里泰造(株式会社リブ・コンサルティング)

はじめまして。

この度、100棟ビルダーへの道というテーマで執筆をさせていただきます株式会社リブ・コンサルティング経営企画室の野里です。

このコラムでは、景気の波に左右されずに、安定的に成長を遂げている住宅会社様の特徴を分析し、皆様の経営にお役立ていただく事を目的としてお届けいたします。

100棟ビルダーへの道 Vol.1

集客編①:景気に左右されない集客のポイント

3年度を見据えて新しい集客構造を作る

第一回目は「集客」というテーマで、
「景気に左右されない集客のポイント」をお伝えいたします。

皆様は「集客戦略」と聞かれて、真っ先に何を思い浮かべられるでしょうか?

「直近で課題となるテーマだ」という方もいれば、
「一時期に比べてお客様も戻ってきているので、当面は営業が課題だ」とお感じになる方も
いらっしゃるかもしれません。

我々リブ・コンサルティングでは、
「今」のタイミングこそ「次のお客様との接点づくり」に着手する必要性が
高いと感じています。

この10 年間、市場が右肩下がりで減っていく中で業績を伸ばし続けている会社様は、
顧客接点つまり集客の入り口を多様化させてきました。

ポイントは「他社に先んじて」新たな集客施策について着手、投資してきたということです。

設立7年で年間200棟を実現した住宅会社の経営者の
言葉をお借りすると…

現時点での意思決定が、1年後、2年後の集客をつくる。

ちなみに同社はWEBだけでも4つのホームページを自社で展開するなど、
様々な集客構造づくりに取り組んできています。

その同社がさらに新たな集客構造づくりを展開しようとしているのです。

御社のエリアにも、同社のようにスピード感を持って新たな施策を
展開している成長企業はあるかと思います。

もしも現時点の集客増・受注増に安心していたら、
同社のような住宅会社にあっという間に差をつけられてしまうこと
になります。

未来の需要減・集客減に向けて、どのような対策を「今」打つのか…。
次の一手を展開するタイミングが遅くなれば、
あっという間に競合と差がつき、市場から置いていかれてしまいます。

集客導線を描くという発想

景気に左右されずに集客戦略を描くと言っても、どのように意思決定を行い、
集客施策を展開していけばよいのでしょうか。
その全体像をまとめたのが「図1」です。

図1

縦軸がお客様の属性で分けたものです。「今すぐ」にすぐに白黒つくお客様
「実は」は来場につながりにくいが会ってしまえばすぐに決められるお客様、
「そろそろ」は半年から1 年先にと考えているお客様、という分類です。

横軸の「一般」が会社で行う集客施策、「自己開拓」が文字通り営業マンによる自己開拓という分類です。
A の領域が、どの住宅会社でも行っている「当たり前」の集客施策です。

よくチラシやホームページの工夫だけで集客増加を考えている方もいらっしゃいますが、
一昔前ならともかく今ではどの住宅会社でも力を入れているため、
そこだけでは差がつきにくくなっているのが現状です。

B は「自己開拓」の領域であり、会社のマネジメントの影響力が大きいところです。
トップマネジメントの強い会社だと、ポスティングや飛び込みの活動量で
集客をカバーしていた会社もありますが、
今の時代それだけでは必要な集客数をカバーできません。

また、他社と差がつきやすい集客施策としては「紹介活動」が挙げられます。
たとえば、紹介活動を「正しいやり方」で「継続的」に取り組んでいる会社は、
年間100 棟を超えても紹介比率70%を維持しています。

C の領域は、数年前から展開する企業が増えている施策です。簡単に言うと、自社の名前はできるだけ目立たせずに「地域の土地情報館」や「ワイワイガヤガヤ楽しめるイベント」という見せ方で集客する方法が C の領域です。
住宅購入を検討し始めたばかりのお客様といち早く接点を持てることがメリットです。
また、エリアである程度の認知度が作れると、逆に誰もが知っている住宅会社には行きたくないという層のお客様もいらっしゃるため、そのようなお客様と接点を持ち、より幅広くエリアの市場を侵攻していこうとする際にも有効な施策です。

上記のA・B・Cで、自社が取り組んでいない領域や弱い領域を考慮しながら集客戦略を描き、
どのルートからどれくらい集客と受注を見込むかを管理していく事で、安定的な集客の柱を作っていく事がポイントです。

集客コストを考えた投資判断が未来を創る

ただし、闇雲にこれらA・B・Cの領域の集客施策全てに投資をすれば良いというわけではありません。
「集客コスト」を考えた投資戦略を取るべきです。

図2

「年間の(一定期間に掛けた)販促費」を「年間の(一定期間の)総来場数(接客数)」で割った数字、
つまり、「集客コスト」を見た上で、
「チラシの費用対効果」「自社ホームページの費用対効果」など、各媒体の効果を定点観測した上で、
意思決定を行う必要があります。

もちろん、最近のお客様の動きを見ますと、
「チラシで会社名を知り関心を持ち、そこから自社ホームページを確認して問い合わせ、その後、現場見学会へ来場」
といったような複数の媒体を経るケースが増えているため、
厳密に各媒体別のコスト算出を行うのは難しい面があります。

その意味では、初回面談時に、どの媒体で反応してきているのか、正しく把握する機能も
合わせて必要になってきますが、
そもそも「集客コストを意識した投資戦略を取れているかどうか」は、激変する経営環境の舵取りを行う上では
欠かせない要素と言えるでしょう。

いかがでしょうか。

先述した「どのターゲット」を「どの集客装置」で集めるのか、といった集客導線を描くのは勿論の事、
費用対効果もしっかりと押さえた投資判断をしていく事で、
初めて、景気の波に左右されない安定集客を実現する事ができます。

御社の未来を創る「集客導線」は鮮明に描けていますでしょうか。

「100棟ビルダーへの道」バックナンバーコーナー
リブ・コンサルティングについて
会社名 株式会社リブ・コンサルティング(LiB Consulting co.,ltd.)
事業内容 総合経営コンサルティング業務
企業経営に関する教育・研修プログラムの企画・運営
企業理念 “100年後の世界を良くする会社”を増やす
設立 2012年7月 社員数 85名
東京本社 東京都千代田区大手町1-5-1大手町ファーストスクエアウエストタワー20F
大阪オフィス 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1-45 新大阪八千代ビル 10階
韓国支店 CCMM Bldg 12,Yeouido-dong, Young deung po-qu, SEOUL

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