はじめまして。
この度、「安定した受注を獲得するための5つの戦略」というテーマで執筆をさせていただきます株式会社リブ・コンサルティング経営企画室の野里です。
このコラムでは、景気の波に左右されずに、安定的に成長を遂げている住宅会社様の特徴を分析し、皆様の経営にお役立ていただく事を目的としてお届けいたします。
事業成長を止めない最適な組織体制の構築
はじめに
「安定した受注を獲得するための5つの戦略」 というタイトルで執筆をさせていただきます
リブ・コンサルティング経営企画室の野里です。
このコラムでは、安定受注を実現するための戦略に焦点を当ててご紹介していきます。
第五回目は、「事業成長を止めない最適な組織体制の構築」というテーマです。
2014年の消費増税後、事業戦略を描く上で実に先の見えづらい長いモラトリアム期間の中にいます。
なかには、順調に事業拡大を行う中で人員も増やし、これからの戦略を描く上で必要な人財確保
並びに育成に力を入れていらっしゃる企業様も少なくないでしょう。
また、消費増税時の駆け込み需要期に大きく業績を伸ばされた企業様の中には、
急激な規模の拡大によって、主に組織風土の面で課題を抱えている企業様もいらっしゃると思います。
戦略と組織は表裏一体の関係です。
どれだけ組織が強くとも、戦略が誤っていれば
組織の推進力が高ければ高いほど、衰退へと突き進む事になるでしょうし、
どれだけ戦略が正しくとも、推進力のない組織であれば絵に描いた餅で終わるでしょう。
多くの場合は、戦略を実行する上で最適な組織図を描く事で解消していくという事になるのですが、
実は、そもそも「企業成長に応じた組織の在り方」には
業種業態関わらず、一定の共通法則が存在しています。
企業成長に応じて直面する「壁」と「乗り越え方」
企業はその成長段階に応じて「伸び方」と「超えるべき壁」が現れると言われています。
「グレイナーの成長モデル」として知られる考え方ですが、
これは、成長段階に応じて「組織マネジメントのあり方を変えていけるかどうか」が、
持続的な成長を実現する上での重要な要素であることを示唆しています。
創業期は「創造性による成長段階」(グレイナーの成長モデル第1段階)と言われます。
「強力なリーダーシップを持ったカリスマ」が全員を率いていくスタイルが最も成長において
必要な要素となります。
しかしながら例えば、50人を超えていく組織になってくれば、
「トップダウンからボトムアップ」への「権限移譲」が求められます。
また一般的に、この段階に来ると組織の拡大が生じ、
① | 階層が増える |
---|---|
② | マネージャーの人数が増える |
といった状態となります。
この状態(グレイナーの成長モデル第2段階)における最大のリスクは、
「いろんな考えを持った人がいろいろバラバラにやり始める(統制の危機)」という点であり、
以下の観点で対策を考える必要が出てきます。
① | 理念(価値観)への理解浸透 |
---|---|
② | フラットな組織運営(マネジメントコストの最小化) |
仮に、同規模まで成長を遂げたとしても、
「理念の理解浸透が行き届いた組織体制」が実現されているケースでは、
例え組織が拡大したとしても、
① | あまり階層が増やさなくて済む |
---|---|
② | 無論、マネージャーの人数も少なくなる |
といった状態へ昇華する事が容易になります。
これは、事業効率の面で言えば、「マネジメントに掛かるコストを最小化する」という観点で
実に有効に機能するのです。
具体的には、
① | 人件費の低減 ・・・人件費の掛かる管理職(マネージャー層)の頭数を減らせる |
---|---|
② | コミュニケーションコストの低減 ・・・階層が少ない分、「理念浸透」に掛かるコミュニケーションコストが減らせる |
といった効果です。
例えば、ある300棟ビルダーでは、
「役員会での決定事項=会社としての重要な意思決定・経営方針・ビジョン」の反映に関しては、
「役員自らが直接社員一人ひとりに行き渡らせるレベルで伝える事」にこだわっています。
広域に広がる全8拠点を役員全員で分担し、店舗に出向き、直接伝える場の設定を行っています。
これは、組織の壁を超える上では、スキルやテクニック論ではなく
大事にすべき価値観・マインドの浸透(人による認識の差を無くしていく)活動そのものが、
最も付加価値を生むという考え方に基づきます。
このような施策一つ取っても、「膨張でなく成長」を遂げる上で、
他社の追随を許さない競争優位性に繋がります。
組織として「権限移譲」を行いつつ、
「理念(価値観)浸透はトップマネジメントで押さえる」という両輪のマネジメントスタイルは、
次のステージへ成長を遂げていく上で押さえておくべきポイントです。
事業構築に必要なスキルテクニックを持った人財で構成された組織でも、
「最近、どこか組織の雰囲気が悪い」
「昔では阿吽の呼吸で話が通じていたのに、どうも最近はここまで言わないと伝わらない」
といったケースが増えてきたと感じる場合は、「成長ではなく、膨張」のサインかもしれません。
そのような場合は、事業成長を絵に描いた餅に終わらせないように、
「理念(価値観)浸透」の見直しを図られてみてはいかがでしょうか。
全5回に渡りお送りしました「安定した受注を獲得するための5つの戦略」も本稿で最終回となります。
本コラムがますます激変する市況環境の中で、これからの未来を築くための一助となりましたら幸甚です。
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リブ・コンサルティングについて
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